■ 宮城県の最低賃金が1,098円になります
令和8年10月1日から、宮城県の最低賃金が1,098円に引き上げられます。
令和7年度は1,038円でしたので、今回は60円の引き上げとなります。
昨年度も65円という大幅な引き上げが行われましたが、今年度も60円の引き上げとなり、中小企業・小規模事業者の皆さまにとっては、人件費に直接影響する大きな改定となります。
特に最低賃金に近い水準で雇用している従業員がいる事業所では、10月を迎える前に一度給与水準を確認しておきましょう。
■ いつから1,098円になる?
今回の最低賃金の発効日は、
令和8年10月1日
です。
ここで注意したいのが、給与の「支給日」ではなく、実際に働いた日を基準に最低賃金が適用されるという点です。
例えば、給与の締日や支給日が10月以降であっても、9月30日までの勤務分については改定前の最低賃金、10月1日以降の勤務分については新しい最低賃金が適用されます。
給与計算を行う際には注意しましょう。
■ パート・アルバイトだけではありません!月給者も確認が必要です
最低賃金というと、
「時給で働いているパート・アルバイトの話」
と思われる方もいるかもしれません。
しかし、月給制の正社員についても最低賃金は適用されます。
月給者の場合は、以下の方法で1時間あたりの賃金を計算します。
月給 ÷ 1箇月平均所定労働時間 ≧ 1,098円
となっているかを確認します。
■ 月給者はいくら以上必要?モデルケースで確認
例えば、
【2026年の土曜日・日曜日・祝日が休み、1日の所定労働時間が8時間】
という会社で考えてみます。
2026年について、土曜日・日曜日・祝日を除いて計算すると、年間所定労働日数は244日となります。
その場合、
(月給 × 12か月)÷(244日 × 8時間)= 時給
となります。
これを最低賃金1,098円から逆算すると、
1,098円 ×(244日 × 8時間)÷12か月 = 178,608円
となります。
つまり、このモデルケースでは、
月給178,608円以上
が最低賃金をクリアする一つの目安になります。
昨年度の記事では、同じようなモデルケースで約17万円が一つの目安となっていましたので、最低賃金の引き上げによって月給者についても確認すべき給与水準が上がっています。
※実際の年間所定労働日数は会社ごとの年間休日によって異なります。お盆休み、年末年始休暇、会社独自の休日等がある場合は、その事業所の年間所定労働日数を使用して計算してください。
■ 最低賃金の計算に含めない賃金があります
最低賃金を確認するときに、
「従業員に支払っている給与を全部足して計算すればいい」
というわけではありません。
最低賃金との比較にあたっては、例えば以下の賃金は算入しません。
・精皆勤手当
・通勤手当
・家族手当
・賞与など1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
・時間外労働に対する割増賃金
・休日労働に対する割増賃金
・深夜労働に対する割増部分 など
基本給だけでは最低賃金を下回っていても、手当を含めれば大丈夫だと思っている場合は、その手当が最低賃金の計算に含められるものなのかも確認する必要があります。
■ 日給制の場合も確認しましょう
日給制の場合は、
日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 1,098円
で確認します。
例えば1日7.5時間勤務の場合、
1,098円 × 7.5時間 = 8,235円
となります。
この場合、日給8,235円以上であることが一つの基準となります。
月給・日給・時給にかかわらず、最終的に時間額へ換算して最低賃金以上になっているかを確認することが大切です。
■ 宮城県内で働く幅広い労働者が対象です
宮城県最低賃金は、宮城県内で事業を営む使用者と、その事業場で働く労働者に適用されます。
正社員だけでなく、
・パートタイマー
・アルバイト
・臨時雇用者
なども対象となります。
なお、一部の産業については「特定(産業別)最低賃金」が設定されていますので、該当する事業所はそちらについても確認が必要です。
■ 詳細について
最低賃金の詳細については、宮城労働局の公式ホームページをご確認ください。
公式HP
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/1/180/houdou/20260901saichinkaisei.html
報道発表資料
https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/content/contents/002799063.pdf
■ 賃上げに活用できる支援制度もあります
今回の最低賃金引き上げに合わせて、国では中小企業・小規模事業者の賃上げを支援する各種制度を用意しています。
例えば、
・業務改善助成金
・キャリアアップ助成金
・働き方改革推進支援助成金
・人材開発支援助成金
などがあります。
設備投資や生産性向上、非正規雇用労働者の処遇改善、人材育成などと賃上げを組み合わせることで、助成制度を活用できる可能性があります。
単純に「最低賃金が上がるから給与を上げる」だけではなく、対象となる事業所については、こうした支援制度もあわせて確認してみることをおすすめします。
■ まとめ
令和8年10月1日から、宮城県最低賃金は、
1,038円 → 1,098円
となります。
昨年度の65円アップに続き、今年度も60円アップとなります。
特に注意していただきたいのが、パート・アルバイトだけではなく、月給者についても最低賃金を下回っていないか確認が必要という点です。
今回のモデルケースでは、土日祝休み・1日8時間勤務の場合、月給約17万9千円が一つの目安となりました。
「うちは月給だから大丈夫」と考えず、10月1日の適用開始前に、一度従業員ごとの給与を確認してみてはいかがでしょうか。
必要であれば、最低賃金の計算や給与水準の確認、関連する支援制度についてのご相談も承ります。
お気軽にご相談ください。
WALLS 佐藤


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